Compensation & Evaluation Design
給与・人事評価制度 設計書
人材紹介事業部(エンリクキャリア)を対象とした、給与計算ロジック・等級制度・人事評価制度の設計
対象: 人材紹介事業部
v1 ドラフト
2026-07-16
1設計思想
縁は「過去を紡ぎ、未来に繋ぐ」をミッションに、4名→50名への急成長を計画している。
成長企業に必要なのは、稼いだ人が正当に報われる透明なルールと、数字だけでなく行動も評価する仕組みの両立である。
01
シンプル
全員が自分で給与を計算できる透明性
02
実力主義
年齢・社歴ではなく粗利実績で決まる
03
成長を後押し
最低保証で挑戦しやすく、上限なしで青天井
2給与計算ロジック
2.1 基本計算式
月給 = MAX(オファー月給, 直近半期の月平均粗利 × 15%)
※ オファー月給が最低保証(フロア)。粗利が低くてもこれを下回らない
※ 賞与は月給に統合。15%に全て含まれる(決算賞与は廃止)
※ オファー月給が最低保証(フロア)。粗利が低くてもこれを下回らない
※ 賞与は月給に統合。15%に全て含まれる(決算賞与は廃止)
粗利の定義
紹介手数料の額面がそのまま粗利。媒体費・求人広告費等の控除は行わない。
2.2 マネージャー加算
マネージャー月給 = 自身の粗利 × 15% + Σ(部下の月平均粗利 × 5%)
※ 部下 = 評価会議で正式にアサインされた直属メンバー
※ 部下 = 評価会議で正式にアサインされた直属メンバー
育成インセンティブ
部下の人数が増え、部下の粗利が上がるほど報酬が増える設計。プレイングを減らしても育成で報われる。
2.3 評価サイクルと改定タイミング
| 評価期間 | 改定適用 | 備考 |
|---|---|---|
| 上期: 4月〜9月 | 10月改定 | 上期の月平均粗利で算定 |
| 下期: 10月〜3月 | 4月改定 | 下期の月平均粗利で算定 |
改定後の月給は次の改定まで固定(月ごとの変動なし)。中途入社者は最初の半期はオファー月給で固定。
2.4 粗利の計上ルール
| 項目 | ルール |
|---|---|
| 計上タイミング | 入社確定月(入社日が属する月)に計上 |
| 返金リスク | 早期退職による返金が発生した場合、返金月にマイナス計上(ただし月給は最低保証を下回らない) |
| CA/RA分担 | 両面型は全額本人計上。分業時は原則 CA:RA = 50:50(例外は上長判断) |
3シミュレーション
3.1 プレイヤー(個人の粗利実績ベース)
| 月平均粗利 | 月給(15%) | 年収換算 | 想定レベル |
|---|---|---|---|
| 100万 | 15万 → 最低保証適用 | — | 立ち上がり期 |
| 150万 | 22.5万 → 最低保証次第 | — | 新人(半年〜1年) |
| 200万 | 30万 | 360万 | 独り立ち |
| 250万 | 37.5万 | 450万 | 一人前 |
| 300万 | 45万 | 540万 | 目標水準 |
| 350万 | 52.5万 | 630万 | ハイパフォーマー |
| 400万 | 60万 | 720万 | エース |
| 500万 | 75万 | 900万 | トップ |
※ 最低保証はオファー時の月給。例: 月給30万でオファーした人が粗利150万(15%=22.5万)の場合、月給は30万が維持される。
3.2 マネージャー(部下3名の場合)
| 自身 | 部下A | 部下B | 部下C | 自身分 | 部下分 | 合計月給 | 年収 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ケース1 | 300万 | 200万 | 150万 | 100万 | 45万 | 22.5万 | 67.5万 | 810万 |
| ケース2 | 250万 | 300万 | 200万 | 150万 | 37.5万 | 32.5万 | 70万 | 840万 |
| ケース3 | 200万 | 250万 | 250万 | 200万 | 30万 | 35万 | 65万 | 780万 |
ケース3に注目
自分のプレイングを減らしても、部下を育てれば報われる設計。マネジメントへの移行を金銭的にも後押しする。
3.3 マネージャー(部下5名の場合)
| 自身粗利 | 部下計 | 自身分(15%) | 部下分(5%) | 合計月給 | 年収 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 5名育成 | 200万 | 1,000万 | 30万 | 50万 | 80万 | 960万 |
→ 部下5名が平均200万/月を稼ぐ組織をつくれば、自身のプレイング200万でも年収960万。
4等級制度(グレード)
4.1 等級テーブル
| 等級 | 役職名 | 期待月間粗利 | 月給レンジ | 昇格条件 |
|---|---|---|---|---|
| G1 | アソシエイト | 〜150万 | オファー月給(固定) | 入社時 |
| G2 | コンサルタント | 150〜300万 | 22.5〜45万 | 2期連続で月平均150万以上 + 定性B以上 |
| G3 | シニアコンサルタント | 300〜500万 | 45〜75万 | 2期連続で月平均300万以上 + 定性A以上 |
| G4 | マネージャー | 自身300万+育成 | 50〜100万 | G3 + 「チーム貢献」4以上 + 経営承認 |
| G5 | 事業部長 | 部門P/L責任 | 70万〜 | G4実績 + 経営判断 |
4.2 運用ルール
昇格
定量(粗利)と定性(行動評価)の両方を満たした上で、半期の評価会議で決定。粗利の数字だけでは昇格させない。
降格
2期連続で現等級の期待粗利下限を下回った場合、評価会議で検討。降格前に必ず改善面談(1on1)を実施し、改善計画を合意する。一時的な市場環境要因は考慮。
5人事評価制度
5.1 評価の2軸
| 軸 | ウェイト | 内容 | 反映先 |
|---|---|---|---|
| 定量評価 | 70% | 月平均粗利実績 | 月給に直結(粗利×15%) |
| 定性評価 | 30% | 行動・スキル・組織貢献 | 等級の昇降格判断に使用 |
5.2 定性評価シート(5項目 × 5段階 = 25点満点)
| # | 評価項目 | 1(不足) | 3(標準) | 5(卓越) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 顧客価値 | 期待に応えられていない | 期待通りのサービス提供 | 指名・リピートが発生 |
| 2 | 自律性・主体性 | 指示待ち | 課題を自ら発見し提案・実行 | 仕組みを設計し組織に影響 |
| 3 | チーム貢献 | 自分の業務のみ | ナレッジ共有、後輩支援 | 育成に主体的に取り組み成果向上 |
| 4 | 成長 | 前期と同じやり方 | 新スキルを習得し活用 | 業界動向を学びチームに還元 |
| 5 | 理念体現 | VALUEを意識した行動なし | VALUEに沿った日常的実践 | 自分の言葉で語り周囲を巻き込む |
5.3 総合判定
| ランク | 点数 | 意味 |
|---|---|---|
| S | 23〜25 | 卓越。昇格を積極的に検討 |
| A | 19〜22 | 優秀。上位等級の資格あり |
| B | 13〜18 | 標準。現等級で順調 |
| C | 8〜12 | 改善必要。1on1で改善計画策定 |
| D | 5〜7 | 深刻。降格を含む対応を検討 |
定性評価の使い方
月給への直接影響はなし(月給は粗利×15%で機械的に決まる)。
等級昇格の必須条件として使用。マネージャー昇格には「チーム貢献」4点以上が必須。
定性が高い人には研修機会・裁量・プロジェクトリード等の非金銭的報酬で差をつける。
等級昇格の必須条件として使用。マネージャー昇格には「チーム貢献」4点以上が必須。
定性が高い人には研修機会・裁量・プロジェクトリード等の非金銭的報酬で差をつける。
5.4 評価フロー
①
自己評価(本人)
期末の最終週に提出
期末の最終週に提出
↓
②
一次評価(上長)
1on1面談で本人と擦り合わせ
1on1面談で本人と擦り合わせ
↓
③
評価会議(経営陣)
全メンバーの評価を横串で確認・調整
全メンバーの評価を横串で確認・調整
↓
④
フィードバック面談(上長→本人)
評価結果・改定月給・次期の期待を伝達
評価結果・改定月給・次期の期待を伝達
↓
⑤
月給改定通知(書面)
改定月の前月末までに通知
改定月の前月末までに通知
6特別条件・例外ルール
6.1 新入社員ランプアップ期間
- 入社後最初の半期(最大6ヶ月)はオファー時の月給で固定
- この期間の粗利実績は記録するが、月給改定には使わない
- 次の改定タイミング(10月 or 4月)から実績連動を開始
- ランプアップ期間中も定性評価は実施する
6.2 荒川萌香さん(2026年8月入社)
| 項目 | 初年度条件 | 2年目以降 |
|---|---|---|
| 月給 | 42万円固定 | 実績連動(粗利×15%、最低保証42万) |
| 特別賞与 | 60万円(6ヶ月後30万 + 1年後30万) | なし(月給に統合済み) |
| 目標 | 月間粗利300万(10-3月の月平均で判定) | 等級に応じた期待粗利 |
| 等級 | G1 → 目標達成時G2昇格検討 | 実績に応じて |
6.3 業務委託メンバー
本制度の対象外。個別契約で報酬を定める。正社員転換時に本制度を適用。
7会社の人件費シミュレーション
7.1 人件費率
| パターン | 本人還元 | マネージャー | 合計人件費率 | 会社残存 |
|---|---|---|---|---|
| プレイヤーのみ | 15% | — | 15% | 85% |
| マネージャーあり | 15% | 5% | 20% | 80% |
7.2 2029年目標: 20名体制(年商7億)
事業部長(G5) × 1名
├─ マネージャー(G4) × 2名
│ ├─ コンサルタント(G2-G3) × 4名
│ └─ アソシエイト(G1) × 4名
└─ マネージャー(G4) × 2名
├─ コンサルタント(G2-G3) × 4名
└─ アソシエイト(G1) × 4名
├─ マネージャー(G4) × 2名
│ ├─ コンサルタント(G2-G3) × 4名
│ └─ アソシエイト(G1) × 4名
└─ マネージャー(G4) × 2名
├─ コンサルタント(G2-G3) × 4名
└─ アソシエイト(G1) × 4名
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月間売上(年商7億÷12) | 約5,800万 |
| 1人あたり月平均粗利 | 約290万 |
| プレイヤー16名の人件費(290万×15%×16) | 696万/月 |
| マネージャー4名の自身分(250万×15%×4) | 150万/月 |
| マネージャー4名の部下分(4名×290万×5%×4) | 232万/月 |
| 月間人件費合計 | 約1,078万(粗利の18.6%) |
8将来展開(Phase 2以降)
8.1 RPO事業部への適用
RPOは月額フィー型のため、粗利の算出方法が異なる。
PM個人の粗利 = 担当PJ月額フィーの合計 − 外注費(スタッフ・DM等)
還元率は人材紹介と別設定の可能性あり(要検討)。
8.2 管理部門への適用
管理部門は粗利を直接生まないため、別ロジックが必要。
等級別の固定給テーブル + 定性評価での昇降格 + 全社業績連動の調整給を検討。
9本田との協議事項
確定が必要な事項
| # | 論点 | 選択肢 | 推奨 |
|---|---|---|---|
| 1 | 15%の妥当性 | 12%〜18%の範囲 | 15%でスタートし1年後見直し |
| 2 | マネージャー5%の妥当性 | 3%〜7%の範囲 | 5%でスタート |
| 3 | 返金リスクの扱い | マイナス計上 / 会社吸収 | マイナス計上(最低保証は維持) |
| 4 | CA/RA分業時の按分 | 50:50 / 60:40 / 案件別 | 原則50:50 |
| 5 | 降格の猶予期間 | 2期 / 3期 | 2期連続 |
| 6 | ランプアップ期間 | 3ヶ月 / 6ヶ月 | 最初の半期(最大6ヶ月) |
| 7 | 既存メンバー(ひなの等)への適用時期 | 即時 / 次の半期 | 次の半期(10月)から |
中長期の検討事項
- RPO事業部の粗利算出方法と還元率
- 管理部門の給与テーブル設計
- ストックオプション・持株会等の中長期インセンティブ
- 退職金制度の設計